どうなの?スペインの治安は今あれは7年前の事だった。フラメンコを見終わってバスでホテルに到着。本日も業務終了と思った瞬間、バスから玄関までの数メートルで引ったくりは起こった。 再三にわたり『犯人を追い掛けては行けない』と言われていたが(彼らは武器を持っている)、事件を目の当たりにして何もしない訳にもいかず、とりあえずポンタは犯人に向かって走り出した! 意外と足が遅い犯人にビックリ。これじゃあ追い付いちゃうぜ!と速度を落としたその瞬間、後ろから来たスクーターに飛び乗り行ってしまった………ラッキー!お客様とはいえ、知らないオバちゃんの為に死ぬ訳にはいかないのだ。 不幸はまだまだ終わらない。盗られたハンドバッグの中には大金やパスポートが入っていたので、深夜まで警察に滞在して事情聴取が行われた。また寝れないよ。トホホ……。 しかし、今回の事件の中で一番驚いたのが日本大使館だった。週末の深夜に起こったにも関わらず、翌日の昼頃には渡航書(1度限りのパスポート)が発行された。しかも手際良く……。どうやら日本人は盗られまくられ、大使館も慣れているようだ。 では、最近の治安はどうなんだろう?7年ぶりにマドリードを歩いて調べてみよう。ちょっとドキドキしながらもレッツゴー。 まず行きたいのがスペイン広場。ここもナカナカ治安の悪い場所として有名だ。それほど人で賑わってはないけれど、ここには『ドン・キホーテ』の銅像がある。
ドン・キホーテはセルバンテスによって1605年に書かれた物語。中世騎士物語を読みふけり、現実と物語の区別がつかなくなってしまった田舎貴族のドン・キホーテ メインストリートの『グランビア』はスペイン広場からシベーレス広場まで約2キロ続く。スペインを代表するブランドLOEWE本店やレストラン、バル、土産店などが建ち並ぶ美しい通り。 この辺りは夜中まで観光客やスリで賑わっている。狙われないように注意しよう。 グランビアから少し道を外れると『太陽の門広場』があり、マドリードのヘソだ。0キロメートル地点であり、看板の「マドリードまで○○キロ」とはここからの距離のこと。日本橋みたいなものだ。また、マドリードの紋章にもなっている『熊とマドロニョの木』の像があり、恋人達の待ち合わせ場所としても有名。日本橋じゃなくて、渋谷のハチ公前か? 広場ではパフォーマンスをする人も多い。ただ延々とリフティングをするだけで稼ぐ人もいる。子供の頃からボールを蹴っ飛ばす文化だが、ボールを投げるのは超苦手なヨーロッパの人々です。 太陽の門広場から歩くこと5分、『マヨール広場』は15世紀から市場、闘牛場、公開処刑の場として使われてきた。現在はレストランが多く集まり、カフェを楽しむ人で賑わっている。 ここで見つけた怪しいミッキー。もちろんオフィシャルではありません。風船を作ったり、記念撮影をして金を稼いでいるのである。 場所はちょっと離れるが、レディーロ公園で見つけた偽ディズニー・シリーズのプーさん。ヨーロッパとはいえ、何ら中国と変わらないじゃないか!探せばドラえもんもいるかも!? レディーロ公園はマドリード市民の憩いの場。スリや物ウリはもちろん、白昼堂々首絞め強盗(気を失っている隙に金などを奪う)なんかも起こりうる。マドリード市民は犯人が襲っている間は何もしない。去った後には手厚く介護してくれるのです。優しい〜!? 再びグラン・ビアに戻って昼食タイム。さぁ、何を食べようか? グランビアの半分位の場所には巨大なマクドナルドがあって、店内はいつでもメチャメチャ混んでいる。全世界にある為に物価の物差しとしても利用されるマックのハンバーガー。その特色とは? 10分程待ってようやく自分の番がきた。どうやら期待していたパエリア・バーガー(!?)とかは無いようだし値段も普通。う〜ん残念。 ところが、セットの飲み物を選んでいると、どっかで見たようなラベルを発見!これってビールでは?そうです、スペインではマックでビールを扱っているのだ。ハンバーガーをビールで流し込むという完璧な組み合わせ。最高です! お腹が満たされたなら、再びグランビアを歩き出そう。15分ほど歩けば最終地点の『シベーレス広場』まで辿り着く。 広場の周辺には特に美しい建物が建っているが、その中央にはレアル・マドリードの『勝利の女神像』がある。2匹のライオンに引かれる大地の女神は噴水と相まって非常に美しい。 マドリードの観光は何といっても美術館。色々なジャンルで天才を輩出するスペインだが、美術界においては特に顕著であり、天才達の描いた本物は見るものを圧倒する。 シベーレス広場から南に歩くこと15分。『プラド美術館』はルーブルやエルミタージュと共に世界3大美術館とも呼ばれ(諸説ありますが)、世界屈指の美術館だ。スペイン王家のコレクションを展示しており、盗品や強奪品ではないのも特徴の一つ。 代表的な作品といえば、3大巨匠のものだろう。西洋美術史において重要なベラスケスの『女官たち』、初めて実在の女性の陰毛を描いたともいわれるゴヤの『裸のマハ』、エルグレコの『羊飼いたちの礼拝』など挙げればきりが無い。 残念ながら館内は写真撮影が禁止だ。ちなみに、左の写真の写っている後ろ向きの像はゴヤである。 プラド美術館の近くにはもう一つ見逃せない『ソフィア王妃芸術センター』がある。 主な作品としては、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロなど現代美術の巨匠のものであるが、最も有名なのはピカソの『ゲルニカ』だ。 1937年のスペイン内戦時、ドイツ軍の空襲を受けたバスク地方の町「ゲルニカ」。横幅7.8メートルものキャンバスに描かれたピカソの平和への祈りは、同年のパリ万国博覧会の為に描かれた。モノトーンで描かれているのは、当時の新聞に載ったモノクロ写真がピカソに衝撃を与えたからだという。 下絵なども幾つか展示されており、そのメッセージに圧倒される。もともと絵画には興味のないポンタだったが、やはり『本物』を見ると感動してしまった。マドリードに行くなら必見です。 せっかくマドリードに来たならば、夜はバルで楽しみたい。要は居酒屋なのだが、タパスと呼ばれる小皿料理が魅力的。オリーブやイカのフライ、マッシュルームなどスペインの魅力の一つといっていいだろう。 もちろんパエリアも食べていこう。ちょっと硬くて芯が残る感じがするが、これはコシだという。どう味わっても芯だと思うが……。日本人にとって本場のパエリアは合わないのかもしれない。 ちなみに、ミートパエリアやイカ墨パエリアなどもあり、エリアによって作り方も違う。美味しいパエリアを探しにマドリードへ行ってみよう。 バスク料理を楽しみたいならピンチョスがその代表。 今回はピンチョスで有名なチェーン店のバル『LIZARRAN』に行ってみた。グランビアの近くにもあるぞ〜。 ピンチョとは串の事で、爪楊枝のような物で様々な具をフランスパンの上に留めている。カウンター上に並ぶピンチョスは全て1.8ユーロで、会計は串の数でカウントされる。ちょっと回転寿司みたいだな。 5個位食べるとお腹も膨れてくる。味はどうあれ、雰囲気が楽しい。狭い店内だが、他のお客さんともわいわい楽しみたい。 サッカーが好きならレアル・マドリードのホーム・スタジアムにも行ってみたいが、街から離れているので歩くのはちょっと大変。では、地下鉄はどうだろう?かつては絶対お薦めしなかったが……。 マドリードの地下鉄は観光客にとっても便利。中心部の移動なら1回1ユーロ!乗換えだって路線番号に従っていけば楽々だ。これは使うしかないでしょ。 しかし、地下鉄構内は何でもあり。バイオリンの演奏なんかはどこでも見れるが、マイクを使って熱唱するボーカルってどうよ? 昨年のテレビで、マドリードの地下鉄で働くスリ達のドキュメンタリー番組があったらしい。何でもマドリード市内には600人のスリがいて、クリスマスの稼ぎ時には日本からやってくる観光客をカモにするそうだ。今はオフ期で良かったぁ〜。 ホームも全然違和感ありませんな。スリがいるとも思えないのだ。 車内も綺麗だし問題なさそうと思いきや、突然車内でクラリネット?を吹く青年。次の駅が近づくと、無難に演奏を終わらせて帽子を広げて集金に来た。写真を撮ったので小銭をげたのだが、彼は愛想良く挨拶をしてホームへ消えた。 電車は駅を出発すると、暫くして隣の車両から同じ曲が聞こえてきた。先程の駅で違う車両に乗り換えたのだった。まるで無法地帯。スペインのアンダーグラウンドはまるでアジアなのだ。 『Santiago Bernabeu』の駅を出れば、そこには存在感抜群のスタジアムが視界に飛び込んでくる。 で、でかい!正直サッカーにはほとんど興味の無いポンタですが、これから始まるスタジアム見学ツアーにワクワクです。 チケットは7番ゲートの横で購入。入場料15ユーロはサッカーファンにとってはきっと安い事だろう!? 中に入るとまさに巨大!写真では大きさは判り難いが、収容人数は何と驚きの8万人超え。全市民集会とかできちゃうじゃんか!ちなみに、最上階の席では足がすくむ程の急斜面。恐怖の面でもドキドキです。 観客席やトロフィー・ルームを抜けるとピッチに出る。ベンチの席に座るのもOKなのだが、このシートは何とレカロだ。 レカロといえばスポーツカーや航空機などに採用されるシートを作るドイツの会社。確かに最高級だろうが、ベンチではベンチシートの方が良いのでは? やはりロッカールームやシャワールームも見れるのだが、約束通りシャワールームの仕切りは無い。 プライベートでもボールの扱いは上手いのだろうか? もちろんプレスルームも見学。観光客は皆、記者会見風に記念撮影するのが面白い。この部屋を出ると最後はお土産コーナーに出て終了。 こうして、スタジアムツアーも無事終了。安全だか危険だかわからない地下鉄に乗って、ぜひレアル・マドリードのスタジアム見学ツアーに参加しよう。 夜は再びバルが楽しい。マヨール広場から徒歩1分。リニューアルした『サン・ミゲル市場』は市場のみならず、奥にはバル・スペースという最高の組み合わせ。 さて、どんなお店があるのだろうか? 野菜や鮮魚、ピンチョスをつまみながら酒を飲む人々。少々混みあっているけど、それもまた楽しい。個人的にはカキとスペインのワインで、ここにいる事の幸せを味わいたい。 最後の夜はフラメンコだ。今回行ったのは、グラン・ビアにある老舗のタブラオ(フラメンコ舞台のある店)の『Torres Bermejas』。 夕食付きやドリンク付きが選べるが、食事は期待してはいけない。この日は魚のメニューを選んだが、予想通りのカチカチ、かつ塩辛い。まるで塩鮭かと思ったよ。血圧上がっちゃうぜ全く。 ショーはナカナカ面白い。ちょっと若くない女性がフラメンコのギターに合わせて踊りまくる。その間にワインが効いてきたのか、ポンタも気分が盛り上がる。 結構長いショーなのだが、そろそろ飽きてきた頃に真打が登場する!ちょっとカマっぽい動きの男性が踊るのだが、その動きは思わず笑ってしまう程、キレがあって凄いのだ。これもフラメンコなのだろうか?余りに動きが早すぎて写真が全てボケてしまったのが残念だ。こりゃ実際に見に行くしかないですな! 以前は添乗員もよく狙われ、被害にあった同僚も少なくないのだが、7年振りの今回は全く事件が起きなかった。実際、2004年3月にマドリードで起こった列車テロ(191人もの人が死亡した)以降、アラブ系の人達は警官に会うと必ず職務質問をされる程テロ防止に力が入っていたという。 マドリードの治安がいい今、素晴らしいスペインの魅力を体験するチャンスかもしれませんぞぉ〜。 ちなみに、メニュー画面の黒い牛の看板ですが、シェリー酒で有名なオズボーン社のもの。現在は看板の規制でメーカーの宣伝が出来なくなってしまったのだが、インパクトのある大きさと形は未だに健在なのだ。マドリード近郊にもたくさんあるので探してみては? |